「HearTech」開発メンバーが語る、よくあるUX課題と成功へのアプローチ
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日本アイ・ビー・エム(本文ではIBM)とADKマーケティング・ソリューションズ(本文ではADK)によって創設されたコンサルティングユニットalphabox。
ユーザビリティにノウハウがあるIBMと、マーケティング・クリエイティブを専門とするADKからそれぞれプロフェッショナルが集結し、ユーザビリティ(機能)とエンゲージメント(情緒)の両方の観点で総合的に顧客体験(本文ではCX)を設計するアプローチ「HearTech」を開発した。
今回は、「HearTech」開発メンバーがUXデザイナーとコミュニケーションプランナーそれぞれの視点から、UX課題を語り合った。
これまでは別々の会社で別々のプロジェクトとして検討されていたが、総合的に解決すべき課題も多く、CXレベルで考えることの重要性が明らかになった。
UXデザイナーとコミュニケーションプランナーそれぞれの視点から見た、よくあるUX課題
各メンバーは、alphabox創設前はIBM、ADKそれぞれの会社で業務を行なってきたと思いますが、各社ではどのようなUX課題に対面してきましたか。
横田 IBMには、UXの中でもNPS指標やアプリ評価の改善を目的として「サイトやアプリの使い勝手が悪いので使いやすくしたい」というユーザビリティの相談が多くありますね。
竹内 一方で、ADKにはユーザビリティの相談が来る事は多くはないんです。「アプリやサイトのユーザー数を増やしたい」というエンゲージメント観点の相談をいただくことが多いのですが、ユーザー体験という意味ではUX課題と捉えています。
alphaboxが考えるUX課題
ユーザビリティ課題・・・サービスの使い勝手や使いやすさ等、機能面での課題(例:使いづらい、目的のページに行き着けない等)
エンゲージメント課題・・・サービスへの興味や愛着など情緒面での課題 (例:新規ユーザーが増えない、リピーターが少ない等)
上記課題に対して、どのようなコンサルテーションおよびソリューション提供を行うのでしょうか。
横田 「サイトやアプリの使い勝手が悪いので使いやすくしたい」という相談に対しては、まずはサイトやアプリユーザーの行動分析を行います。現状のカスタマージャーニーを作成し、そこから課題を抽出していきます。その中に、ユーザビリティ課題があれば、あるべきUXデザインを行っていくというアプローチです。
三原 課題自体はサイトやアプリのサービス領域だけじゃなく、利用前後の体験も含め探索することもあるので、課題抽出の際にユーザビリティというよりは、そもそも顧客にサービスの良さが正しく伝わっていない等、顧客とのエンゲージメント上の課題が見つかることもあります。
その際は、もちろんエンゲージメント課題を解決するためのコミュニケーション領域の課題をお伝えするのですが、プロジェクトを依頼いただいた部署は担当外で、結局エンゲージメント課題は解決されぬまま…というのはよくあるケースです。
岡本 ありますよね。私は、事業会社に数年前までいたので、部署をまたいだプロジェクト推進を完遂する難しさが非常によくわかります。
ユーザービリティ改善を管轄する部署とコミュニケーションを管轄する部署が分かれていたりすると、この2つを同時並行で検討・実行に移すのは難易度が非常に高いんです。
最近は、これらの部署が連携し合いながら課題解決に取り組むというパターンもあるのですが、部署ごとにミッションが異なるため部署間の意見が合わなかったり、遠慮や押し付け合いがあり真の課題解決に至らないというのもあるあるですね(笑)
一方、「ユーザーを増やしたい」というUX課題にはどのようなアプローチを行うことが多いのでしょうか。
竹内 ターゲットと商品・サービスを深く理解した上で、様々なメディア(PESO)を使って、コミュニケーション施策を行います。
ただ、お客様の最終的なゴールとしてはユーザー数の増加なのですが、コンバージョンポイントとなるユーザー登録等のフォームは、プロジェクトを依頼いただいた部署とはまた別の部署が管轄している等で手が出せず、フォームへの送客より後のUXはスコープ外になってしまうというIBMと同じようなジレンマを感じることが多くありました。
上東 ユーザーにとっては一連の体験であるにも関わらず、ページごとに見た目や使い勝手が違って、混乱を招いてしまっているというのもよくあるケースだと思います。
メンバーがたどり着いた、成功するUX設計に必要な要素とは?
横田 UXと聞くと、サイトやアプリのユーザビリティを想像しがちなんですが、それだけ改善しても使い勝手が良くなっているだけで、新規ユーザーの増加や継続利用に向けた仕掛けがないということが起こります。
竹内 なので、コミュニケーション施策による、送客からそれを受けるユーザー登録フォーム、サイトやアプリの使い勝手の向上、継続利用の仕掛け作りまで、一連のCXとして設計する必要があるんですよね。横田 私たちはユーザビリティとエンゲージメントの両面から、総合的なCXを設計する「HearTech」というメソッドを考えました。
岡本 このメソッドを実行するにあたって組織面でも考慮することがあります。部署間での連携不足が課題になっているクライアントの場合は、プロジェクト開始前に部署横断で課題解決に取り組めるような体制提案から行うこともあります。
クライアント側も領域横断でCX向上に取り組む動きが活発化しているので、その要望にこちらもしっかりと応えていきたいと考えています。
「HearTech」のアプローチ(体制・プロセス)
横田 「HearTech」においては、ユーザビリティとエンゲージメントの専門スキルを持つメンバーが参加します。
サービス領域におけるリサーチ・デザインの専門家と、コミュニケーション領域におけるマーケティングの専門家がそれぞれのスキルを駆使して、CX全体を一貫して考えていきます。
赤嶋 「HearTech」におけるプロセスは、顧客課題を把握することから始まります。
まずは、サービス利用体験の改善を目的としてCXを整理します。この時、サービス利用中の体験だけでなく、その前後のコミュニケーション・ファン作りの体験を含めて全体像を整理し、重要なユーザビリティ課題、エンゲージメント課題を抽出します。
そして、ユーザビリティ課題、エンゲージメント課題を改善するためのコアアイデアを検討し、CXコンセプトを総合的に検討していきます。
「HearTech」に関連するプロジェクト
保険業界
クライアントと顧客を繋げるプラットフォームを構築。CX全体像を整理し、プラットフォームのあるべきUI/UXの検討に加え、サービス申し込みまでのナーチャリングおよび申し込み後のリレーションを促進するコミュニケーション施策を検討しました。さらに実施段階における運用伴走支援も行っております。
通信業界
業務負荷軽減を目的に、既存Webサイトの大規模リニューアルを実施。現行の課題に対して専門家調査を行った上でWebサイトのUI/UXを改善。加えて、サイト利用を促すパーセプションチェンジ戦略および各顧客接点でのコミュニケーション施策を検討しました。
その他多数
様々な要望・お悩みに最適なプラン・メンバーでサポート。まずはお気軽にご相談ください。
横田 課題や予算感に合わせて最適な提案をさせていただきますので、まずはご相談ください。「HearTech」を試してみたいが少し不安という方向けに、短期間で取り組んでいただける簡易パッケージも用意しています。
要望・お悩み一例
- 顧客にサイト・アプリの魅力をちゃんと伝えたい
- 新規ユーザーが増えない
- サイト・アプリの評価が悪い
- ユーザーの利用頻度が減ってきた
- LTVを改善したい・ロイヤルカスタマーを増やしたい
「HearTech」のサービス概要を記載したセールスシートも用意しています。
問い合わせフォームからご連絡ください。
alphaboxとは?
テクノロジー/コンサルティングに強みを持つ日本IBMと、広告戦略/マーケティング支援のADKマーケティング・ソリューションズによって、2019年に創設されたカスタマーエクスペリエンス(CX)/デジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティングユニット。テクノロジーとマーケティングの両面からCX/DXを設計し、企業の新たな価値創造を支援する事業を展開している。
* alphaboxは株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ の登録商標です。