alphabox CX Watch 第四弾「家電ECのCX」 を公開
- #CX
- #D2C
- #ECサイト
- #家電
- #DX
- #CX Watch
本調査の特徴・背景
日本の家電市場は、コロナ禍による巣ごもり需要の影響などもあり持続的に成長しており、現在は約6兆円規模に達しています。またそのEC化率は年々上昇しており、市場全体の拡大に大きく寄与しています。消費者の購買行動がデジタルシフトを加速させる中、国内の家電メーカーにとって、自社のECサイト(以下、メーカーECサイト)を通じたD2Cモデルを拡大させることの重要性はますます大きくなってきています。
今回の調査では、家電購入時の消費者行動に焦点を当て、消費者が家電を購入する際にどのように購入経路を決めているのか、メーカーECサイトに期待することや満足度などを聴取し、他の購入経路と比較することで、メーカーECサイトの利用拡大やCX(顧客体験)向上に繋がる要素を抽出しました。
主な調査結果
(1)メーカーECサイトでの購入率は14%に留まるが、他の購入経路と比較して選好性が高い。
最新の家電購入時の購入経路を調査したところ、メーカーECサイトの利用者は全体の14%でした。オンライン購入経路の中では特に若年層や女性の利用率が高く、ブランドや製品へのこだわりや愛着がある消費者が多く利用していることが分かりました。また、新製品や友人へのプレゼントとして購入されることが多く、「確実な製品を安心して購入できる」という点がメーカーECサイトの強みとして評価されています。
(2)現状、メーカーECサイトの満足度は高いが、継続利用には課題が残る。
各購入経路の利用者から満足度を聴取したところ、メーカーECサイトは他の購入経路と比較して高い満足度が得られていました。特に「価格の安さ」「配送スピード」「アフターサービス」などが期待以上の満足に繋がっており、これらのメリットを適切に発信して周知していくことが重要です。
一方で、他の購入経路と比べると継続利用率は低い傾向が見られました。今後は購入後の顧客接点を活用して再度の利用に繋げていくことが課題です。
(3)多くの消費者は購入経路を使い分けており、購入経路のスイッチを狙う戦略が必要。
家電購入時に購入経路を使い分けているかどうかを調査した結果、全体の6割以上が複数の購入経路を使い分けていることが分かりました。したがって、メーカーECサイトの利用を拡大するためには、この使い分けにおいて選ばれる存在になる必要があります。
また、今回の調査では、購入前の情報収集や購入後の会員登録などでメーカーサイトを訪問する消費者が多いという結果も得られました。こうした購入前後のタッチポイントを最大限に活用し、消費者との関係性を深めていくことが重要です。
alphaboxでは、これからもCX調査を継続して実施するとともに、最適な顧客体験の実現に向けたお客様企業の変革支援を推進していきます。
ー「alphabox CX Watch」 第四弾 調査概要ー
目的:家電購入時の購入経路の選択理由や満足理由を把握する。各購入経路、特にメーカーECサイトの特徴や訴求ポイントを明らかにすることで、メーカーECサイトの顧客拡大・CX向上に繋がる要素を発見する。
調査対象:2年以内に家電を購入した全国の18〜69歳男女
サンプル数:合計2,064サンプル
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年11月
調査委託先:マクロミル
CXディレクター
岡本 行司
CXコンサルタント
西野 舞奈